むし歯
できるだけ元の歯を残します。
当院のむし歯治療方針は、できるだけ元の歯や神経を残すことです。
神経を抜いてしまえば痛みは感じなくなりますが、実はむし歯だと思っていてもストレスがなくなったり噛み合わせさえ修正できたりすれば、痛みが取れることがあります。
また、神経を取ると、後々歯が脆くなってきたり歯の色が変わってきたりすることがあるのです。
もちろん、どんな場合でもとにかく残した方が良いということではありませんが、できるだけ歯を残すことを念頭に置きつつ、症状や痛みの原因などによって最も適切な方法で治療していきます。
大事なのは、今だけ表面的な症状を抑えることではなく、将来に渡って健康な歯を保つことだと考えているからです。
歯内療法(根管治療)も時間をかけてしっかりやります。
症状の軽いむし歯は、表面を削って詰め物をするのが一般的な治療で、ほとんどの場合、1-2回の通院で終わります。
しかし、むし歯が進行して神経や歯の根元まで菌に侵されてくると、歯の中の根元を除菌する治療が必要になります。
これを「歯内療法」もしくは「根管治療」と言います。
歯内療法は、菌が残らないようにしっかりと除菌をしていかなければならないため、患者さんもドクターも根気が必要です。
万が一、歯の中に菌が残ったまま詰め物でふたをしてしまうと、そこで菌が繁殖してしまいます。
歯内療法は大変さの割に医療点数が低いため、時間をかけて取り組むのが難しいと判断している歯科医院もありますが、当院では毎回しっかりと時間を取り、4-5回の治療で完治を目指していきます。
また、治療時にはラバーダムと呼ばれるカバーを口の中に取り付け、開いた歯の根元に唾液や雑菌が入らないようにしています。
ラバーダムは、大学病院ならどこでも当たり前のように使われているものです。
最新機器を使って、より精度の高い診断をしています。
表面だけを見ると軽いむし歯に見えても、実は中で菌が繁殖していることがあります。
これまでは、患者さんの訴える痛み、歯の表面の色、レントゲン写真などから、歯の中にむし歯がどの程度侵食しているかを推測していました。
当院では、ダイアグノデントと呼ばれる最新の医療機器を導入し、むし歯検査の精度をさらに高めています。
ダイアグノデントは、レーザーを歯に当てることで、むし歯の侵食度合いが数値で示される機械です。
この装置を使うことで、患者さんの歯を痛めることなく中の様子を把握することができるようになりました。
最も大事なのは、予防です。
むし歯になってしまった時は、当院の高い技術で患者さんにとってベストな治療をいたします。
しかし、最も大事なことは、むし歯にならないようにすることです。当院では、むし歯を予防するために、主に三つの取り組みをしております。
ブラッシング指導
やはり、家での毎日のブラッシングが全ての基本となります。
きちんと磨いているつもりでも実はやり方が間違っていたり、磨ききれていなかったりすることがあります。
また、成人と子供では、ブラッシングで気をつけるべきポイントが異なります。
子供は主にむし歯を防ぐことを目的にしていますが、成人は歯周病予防が目的になります。
そして、歯並びや過去に受けた治療内容によっても気をつける点は異なります。
まずはご自身できちんとケアできるブラッシングを身に付けましょう。
PMTC
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)の略で、専門家が専門的な機器を用いて歯のクリーニングを行うことです。
毎日のブラッシングが正しくできていたとしても、歯石など、どうしても家庭では取りきれないものもあります。
そのため、専門家による定期的な歯のお掃除は欠かせません。
お掃除の際には歯のチェックもしておりますので、万が一むし歯や歯周病になりかけているところがあれば、すぐに発見、治療することが可能です。
フッ素塗布
フッ素を歯に塗ることで、歯の強度が高まり、むし歯になりにくくなります。
ただし、フッ素は誰にでも効果的という訳ではありません。
例えば、永久歯がはえてきたばかりの時期にフッ素を塗布すると効率よく歯に吸収されますが、しばらくすると歯の中のフッ素が飽和してくるため、新たに塗布してもあまり吸収されなくなります。
しかし、年齢を重ねて歯ぐきが下がってくると、歯の根元が露出してきますので、その部分はフッ素を取り込みやすくなっています。
いずれの場合も、向き不向きや個人ごとの適用範囲などがありますので、ご来院頂いた際に相談頂ければと思います。
一人ひとりの患者さんにとって、最も良い予防策をご提案させて頂きます。
歯周病
ほとんどの人が当てはまる?
歯周病は、悪化するまで自分で気付くのが難しい病気の一つです。
問題が表面化していなくても、ほとんどの人にとって歯周病は身近な病気なのです。
歯周病が悪化すると・・・
歯周病が悪化すると、歯がグラグラと揺れたり、歯ぐきから血が出てきたりします。
それでも放置していると、歯が抜けてしまったり、全身疾患にかかったりします。
また歯周病は口内に菌が繁殖している病気ですので、口臭の原因にもなってしまいます。
とにかくまずは日々の手入れをきちんとおこない、早期発見できるよう検診を受けて頂きたいと思います。
痛みを感じたら既に遅いくらいだと思って頂いた方が良いでしょう。
良い口内環境を取り戻すのが歯周病治療
むし歯の治療は、表面を削ったり歯の中を除菌したりしてから詰め物でふたをするという、とても分かりやすいものです。
しかし、歯周病の治療というのは、手入れをしていきながら良い口内環境を取り戻すということに尽きます。
しっかりと正しいブラッシングをして頂き、時には歯科医院でさらにキレイにするためのお掃除をします。
もし症状が一時的に治まったとしても、口内環境が良くなければすぐに悪化してしまうのが歯周病です。
根本的な口内環境改善に向けて一緒に取り組んでいきましょう。
また、口内環境が悪化する原因が生活習慣にあることも珍しくありません。
例えば、育児や介護によって自分自身のケアをする時間が減っている人は要注意です。